2019.7.7 講習会 革の講習会・現物処理
織姫と彦星が出会うロマンチックな今日にも関わらず、みやび洗い会では熱い講習会が開かれました。
◆主題は大堀指導員による革の講習会
過去の事例をお持ち頂き、吹付を実践して頂きました。
~染料を作っている工程~
状況、ものにより、ハケ塗り、もしくはエアスプレーで吹付していきます。
◆現物処理
実際に会員が持っていたものを教材に処理していきました。
今回は主に事例の紹介って記事になります(*´∀`*)
~顔料修正~
〇革のウェストポーチ
長年使い込み、革が白く、そしてひび割れに。
しかし、かなり良い感じに直りました!!
〇クロムハーツの革の長財布
どうしても端っこなどが擦れて汚れて黒ずんできちゃいますよね。
そんなのも顔料を塗っていく事でここまで白さが戻っちゃうという・・・
改めてみてもすごい・・
ちなみに、白といっても微妙な白なので色の調合がかなり手間とセンスが必要です。
〇時計の革ベルト
なんと時計の革ベルトもいけちゃんです!
革ベルトもよく触られる部分なので色が薄れていってしまう傾向があるように感じます。
まさか、クリーニング店で、時計もきれいになるとは!!
~メンテナンス~
革はだんだん油分を失い、色が薄くなったり、傷ができてしまったり、最終的にはひび割れを起こします。
そうなってくる前に、わざわざ色を塗ってあげなくても、オイルを塗りこむメンテナンスをしてあげるだけでも、かなり蘇ります!
〇革財布(茶)
傷が見事に目立たなくなりました!!
〇革ベルト(茶)
革ベルトもよく擦れてしまうため、すぐ状態が悪くなりがちです。
ベルトもここまで潤いが戻りました!
◆帽子の臭い取り
わきが臭や、帽子の汗をかいた皮脂の臭いを「ミョウバン」でとります!
ん~臭いがとれた!
点数が減っている今、クリーニング屋さんも、いろいろ変化していかなければなりません。
今後も修練してまいります!
今回記事を担当させて頂きましたのは柏崎市内のシミ抜きはお任せ!北陸クリーニング工場です。
2019年07月13日 (5年前)
2019.5.5講習会【呉服屋「和gen」店主佐藤圭三さんを講師にお招きしての講習会】
新元号「令和」になりまして初の活動報告です、4番平川に代わりましてピンチ筆者の土田がお送りします。
5月の今回は新潟市中央区古町通7番町にお店があります呉服屋「和gen」から店主の佐藤圭三さんを講師にお招きしての講習会となりました。
襟付きシャツの上から着物という書生スタイルで現れた佐藤さん!着物を売る側の人間として、世間の方に着物をもっと気軽に着てもらいたいという願いからご自身も普段から着ているのだそうです。
なぜそう願うのか?
着物といえば一般的に
・高い
・着付けが難しい
・脱いだ後の畳み方も分からない
・自分で洗えないから汚したくない
・ファッション性が無い
・着る機会が少ない
等々取り扱いの難しいイメージが強く、例え持っていても自前のものを出さずに敢えてレンタルする人が今は多いのだとか。
それによって20年前とは打って変わって娘さんが生まれたら自然と買ってあげるという家庭が減り、塩沢ほど上質な着物の産地でも担い手枯渇に悩み、和裁士さんも絹すらも殆どが海外頼りになり・・・
と業界としての苦境を沢山教えて頂きました。
新潟県は着物の生産数が京都に次いで2位なのだそうです。
伝統工芸品も全国3位で17品目あり、その内7品目が塩沢紬や小千谷縮といった織物・・・!
なのにそれらが失われつつあるのは悲しいことです。
せめてクリーニング屋さんとしてお手入れの面から少しでも敷居を低くするお役に立てたらなと思った講習会となりました。
今回はGW中にも関わらず和gen佐藤圭三さんに講師にお越し頂きまして改めてありがとうございました!
和genさんのオフィシャルHPには店内の様子や店員さんの紹介までされています。
和gen(わげん)です。
雑貨屋さんの様な明るい雰囲気のお店なので気になった方は是非一度足をお運び頂けたらなと思います。
~午後~
◆貝瀬指導員からのアドバイス!
今流行りのシームレスダウンの劣化が2件確認されたとの事。来年は気を付けるべし。
◆100万円もする加賀友禅の着物のシミをみて・・
後藤さん持ち込みの加賀友禅についたシミを見て、こういうのは成人式の日に酔っ払いが汚い手で肩とか背中とか触って来るから付くんだ。
俺らはそういうのを汚れから読み取らなきゃ余計な事してしまうんだからちゃんと考えなきゃいけないよ。
着て汚れる場所も想像してシミ抜きに挑む事が重要!!
◆山羊皮のダウン???
貝瀬さん「これ何だと思う?」
滝沢さん「白っちゃけてますね」
「絹ですか?」「絹?」「絹ですかね?」
貝瀬さん「違うよ」
後藤さん「スエードでしょ?」
土田「え・・・ダウンでやぎ革?初めて見たこんなの」
貝瀬さん「これいくらすると思う?」
若井さん「アルマーニ・・・20万でも買えるかな」
後藤さん「30万!」
貝瀬さん「これアウトレット品だから25万だけど元は50万だ」
若井さん「確かに洗濯表示の端が目印で切られてますね」
貝瀬さん「お客さんからアウトレットと正直に教えてもらえてたから良いけど、これは洗えないから」
柳澤さん「そう!だから俺も一個一個ちゃんと洗濯表示見るようにしてる」
貝瀬さん「袖の部分はポリエステルだからそこのシミだけ落として、縫い目から飛び出てるダウンを一本一本抜いて、スエード用のブラシで革全体を下から優しく梳かしてっていうように洗うんだ」
宮路さん「いいお客さんが沢山いていいですね・・・」
という一幕
このように一回も見たことない、高級品が突然出たりします。
そんな時に、これで大丈夫でしょって簡単にクリーニングしてしまうのは絶対ダメ!
思わぬリスクがあったりします。
いざそうなってしまわないように、会員同士、珍しいもの、手の込んだ品物、高級品など、共有しあっています。
春の繁忙期、しまって営業していきましょーヽ(´▽`)/
まいど!ピンチヒッター土田でした♪
2019年05月20日 (5年前)
2019.4.7講習会【協立産業様にて実技】
本日の講習会は、実技の講習会と言うことで、協立産業様の工場にて行いました。
◆貝瀬ドライクリーニング店でのレンタルウェアクリーニングの工程表共有
◆実技講習
アノラック、ダウンを実際に洗ってみました。
洗剤:フルーツリキッド
温度:35度
加工剤:モノゲンケア+防水加工
もしくは、ウォーターシルエット
〜ポイント〜
・ダウンをネットにきつきつ入れることで浸透させやすくする。
・体温に近い温度で洗う事で汚れ落ちをよくする。
・濯ぎ時に、酸を入れる事で加工剤の効きを良くする。
・白黒はわけない。赤は注意。
・軟水機を使い、軟水で洗う事でも汚れ落ちを良くすることができる。
・黒物や濃縮系は、加工剤にファミトンを入れると、色が復活する。
◆事例紹介
アノラックの経年劣化事例
最終的には裏側に貼り付けされている部分が剥離を起こします。
こうなってしまうと、もう直りません。またシミ抜きもNG。樹脂が剥離してポカポコになってしまいます。
◆セーターのほつれ直し
糸引き、虫食いもここまで修正できてしまいます。
今週から暖かくなり、いよいよ繁忙期に突入ですかね、サービス向上のため、頑張っていきます!
2019年04月07日 (5年前)
2019.3.3 講習会 現物処理・情報交換
まだ3月初旬だというのに、ものすごい暖かい。
今年の春の繁忙期に備え講習会が催されました。
◆次回講習会の内容について
来月の講習会は、機材商様の会社にて、実際にワッシャーを使っての講習会
次回やってみたい、講義内容を話し合いました。
・ダウンの洗い方
ダウンは普通にワッシャーに入れてそのまま洗ってしまうと、浮いて洗えないという声が。
ネットにいれたり、特殊な付加をかける物質をいれたりと、色んな意見が出ました。
・スレてしまった品物
水洗いしても、スレが発生していきます。
黒が冴える品物は、スレてしまうと、白っぽくなってしまいます。
加工材を吹き付けしたりすると直るものが多いですが、量は?どんな感じで加工?など具体的な疑問が多いです。
その辺りを実際のワッシャーを使い、加工してみよう!という事となりました。
◆前回のカビの生えた革スカートのクリーニング報告
こんな感じで綺麗になりました!
ご報告いたします。
・カビは取れたが、脱色は残りどーいう色修正をした?
・カビは本当に落ちてるのか?
・革に適した油は?
などを、議論しました。
ビフォーアフター
◆消臭剤のお話
〜で洗おう!のCMでおなじみの消臭剤。
これ、実際に洗えると思ってる人が多い事実。
実際は洗えません!
臭い臭いの元を、油に似た成分で蓋をするイメージ。だから臭いは発生しなくなるのですが、臭いの元自体は消えてません。
なので、そのまま放置すると、変色してしまいます。
一人のメンバーの事例です。
お客様がベタベタになった衣類をお持ち込みしたそうです。実はそのベタベタの原因、某消臭剤だったらしいです。
説明をしてあげ、クリーニングで綺麗になったそうですが、注意喚起が必要だなと感じました。
またその消臭剤で、家庭用洗濯機がものすごく汚れてしまってるという報告も。
その場合は、ある方法で、きれいになるのですが、意外なところにも某消臭剤の副作用があるものですね。
ちなみに、ある方法とは過炭酸漂白。
ですが、家庭用洗濯機には、温度を上げ過ぎない事が注意です!
◆セーターのお話
カシミヤ100%のセーター、実はこれ、、、
業界の裏話ですので、ここには書けません。。
ち
◆ジーンズの部分色修正
膝だけついてしまって、あまりにも白くなり過ぎてしまいました。
こんなものもある程度修正する事が可能です。
修正事例報告は乞うご期待!
◆その他現物処理
着物のシミ抜き
鞄のクリーニング
・汚れが多い部分のみシミ抜きしてしまうと、脱色してしまうため、注意!
・内側の張り布が、樹脂を用いたものだったため、お客様にちゃんとした受付が必要
などの意見が飛び交いました。
今回記事を担当させて頂きましたのは柏崎市内のシミ抜きはお任せ!北陸クリーニング工場です。
2019年03月03日 (5年前)
2019.2.3 講習会 総会・現物処理(ウールセーターの色掛け)
2月はいりましたが、あけましておめでとうございます。
今年も講習会スタートです。
今年1年の始まり、まずは総会からのスタートです。
◆総会内容
平成30年度の活動報告に始まり、予算についての監査を行いました。
役員の改正も行い、今期に向け体制が整いました。
講習会の内容を、メンバーの意見を聞き、決定していきました。
・佐渡研修旅行
・商材業者にて現物処理講習会
・新潟市内で頑張っていらっしゃる講師の元にお伺いする講習会
◆大堀指導員に感謝状
長年みやび洗しみ抜研精会に尽力された大堀指導員に感謝状が授与されました。
◆貝瀬指導員の現物事例の紹介
・5年〜10年使ったダウンジャケット、ゴアテックスのウィンドブレーカーの紹介
通常5年〜10年使ったアウター類は、紐の周りや端っこの部分が擦れて脱色してきてしまいます。
ですが、一工夫し、クリーニングを行うことで、ここまで新品のように保つ事が出来るのです!といった事例です。
それもびっくりするのが、復元材を後加工で吹き付けなどして直すのではなく、クリーニングの洗いの工程内で行うというところが素晴らしんです。
それは撥水加工の工程の際に、ある加工材を入れる事。
これで、色褪せが新品のように蘇るんです。
是非これは活用していきたいと思いました。
・カビの生えた革スカートの処理
こんなにひどい状態です。
教わった洗い方を次回以降実践してきます。
◆色の補色についての資料配布
シミ抜きの過程で(特に漂白)、脱色を起こしてしまったり、またあえて脱色を起こすレベルまで行い、色を染色していく際に、【色修正】の技術が必須です。
これも一朝一夕にできる技術ではありません。
資料で学習し、今後の現物処理の中で、繰り返し覚えていくしかありません。
◆現物処理
ウール100%のワンピースの色掛け
【状況】
黄変があり、過酸化水素水でシミ抜き処理
→色が赤く変色
【処理方法】
アルカリ洗剤を塗布→酸ですすぐ→色掛け(薄い青)→定着材を塗布
綺麗に戻りました。
◆現物処理
着物の茶色の汚れシミ抜き
【処理内容】
酵素処理をしっかり行う工程をやりました。
今回記事を担当させて頂きましたのは柏崎市内のシミ抜きはお任せ!北陸クリーニング工場です。
2019年02月03日 (5年前)