9月のみやび洗講習会(教材用きもの実技・現物処理)
9月のみやび洗しみ抜研精会講習会は、台風12号の強風が残る残暑厳しい気候の日でしたが、多数の出席者により行われました。
会長のあいさつに続き、森山機材 専務より「新製品の紹介と説明」が行われた後、
「教材用きもの実技」と「現物処理」を各自行いました。
<現物処理の実例>
「ニット・ワンピース」にインク(?)が付いた品物です。
この品物は一度クリーニング店に依頼したものらしいのですが、シミが落ちてこなかったので「みやび洗会員」の店に持ち込まれたものです。
この品物のしみ抜き作業には会員の注目が集まります。
”他店で落ちてこなかったシミ”だったはずですが、基本処理により綺麗に落ちました!
会員一同、あまりの手応えの無さに拍子抜けしてしまいました。
ちなみにしみ抜きに掛かった時間は・・・3分程です。
「クリーニング店に出しても落ちてこなかったシミ」や「断られた品物」など、
諦めずに「みやび洗しみ抜研精会 会員店」へご相談ください!
2011年09月07日 (9年前)
6月のみやび洗講習会(墨と墨汁のテスト布・その他現物処理)
6月のみやび洗講習会は、初夏の清々しい「しみ抜き日和」の中行われました。
< 綿布に墨と墨汁を付けてあります >
今月のテスト布です、良くあるしみですが完璧に落とすには、ちゃんと手順を踏まないと、汚れが落ちきれないことが多いしみです。
一見、簡単そうですが、確実な技術が必要とされる作業です。
みやび洗しみ抜研精会の基本の、「油」(油性処理) 「水」(水洗い、漂白処理) 「酵素」(還元処理) 「彩」(変色箇所の彩色)に忠実に行いますが、腕の差が出るのがこの時です。
新入会員の一寸危なっかしい手先を、心配そうに見守る 大堀指導員、この道40年の知識を惜しげもなく伝授して下さいます。
油性のしみ抜き溶剤でこつこつとシミを別の布に移していきます。
次は水性処理を行います、この時シルク製品はすれが起こりやすいので、いっそう注意が必要とされます。
今月の現物処理は白地の付下げの黄変のシミの除去です。後藤指導員が手がけます。
白場のシミは比較的容易に除去できますが、柄の中に有るシミの除去は細心の注意が必要です。
当然ですが、この様な染み抜きの前にも油性の処理、水性の処理は不可欠です。
「秘密のみやび洗スペシャル」をシミに付け、先端からしみ抜きに最適な量の蒸気を発生させるスポットマシンで丁寧に作業を行います。
前身頃にあった数カ所のシミも綺麗になりました。
お客様の笑顔が浮かびます。
< 仕上げ >
本当に最後の仕上げで着物の美しさが一ランクアップします。
丁寧な仕上げもみやび洗しみ抜研精会会員の誇りです。
綺麗に仕上がりました!
最後に、今月のみやび洗講習会報告を(有)和田クリーニング店に担当して貰いました。
和田クリーニング店といえば、みやび洗しみ抜研精会発足以来の会員です。
「きもの文化検定」の合格認定書を取得しており、和服のみならず、
衣類全般の知識に精通しており、アドバイザー的存在として会員から認められています。
和田クリーニング店の特色は・・・
お客様の衣類の状況を良く確認し処理を行っており、その衣類本来の持ち味を大切に、
不必要な加工などはせずに真面目にお客様本位に立った仕事と評判です。
そんな評判店ですから、去年創業50年を迎えることが出来ました。
今後も地域のお客様に愛され続ける店でいるでしょう。
2011年06月11日 (9年前)
5月のみやび洗講習会(ジーンズの洗い・色素のテスト布)
5月のみやび洗講習会は、GWの真っ只中の講習会にも関わらず、多数の参加者で行われました。
まず賛助会員 森山機材 専務より「ジーンズ」についての講義。
「ジーンズ」は1870年代のアメリカで作業着として誕生し、100年以上経った今、ファッションアイテムへと変わった。
そんな「ジーンズ」の魅力と、我々クリーニング業者の役割についての話。
~ ジーンズは洗うべき? ~
ジーンズの”魅力”の一つとして「色落ち」というものがありますが、
一般の人はどれ位の頻度で洗濯をするのでしょう?
ある統計によると、「年に一度も洗わない」と答えた人は半数近くも居たという結果も!?
ジーンズの古びた風合いから汚れが目立たない為、あまり気にしていないとか・・・
しかし、クリーニング業者である我々に言わせたら、「汚れたら(着用したら)洗って欲しい!」
汚れが目立たなくとも、着用すれば確実に汚れています!!
そして「強度テスト」ということで、ハーレー・ダビッドソン(大型バイク)に引っ張ってもらい、耐えた時間を比較したところ、
「一度も洗っていないジーンズ」は7秒で裂けてしまったところ、
「履くたびに洗っていたジーンズ」は16秒も耐えたという結果でした。
これは、ジーンズを洗わないでいると長持ちするどころか「カビ」が繁殖して繊維を劣化させてしまうからだそうです。
「ジーンズ」のオシャレはまず、綺麗な状態で着用することからという事ですね。
続いては「しみ抜きテスト布」の実技
素材: シルク シミの種類: インク ・ 酸性染料
過去に出題したテスト布の傾向として、「地直し」をしなければならないような課題が余りなかったという事から、
今回は「地色の剥げやすい」題材をあえてテスト布として取り上げました。
会員皆、苦戦していたようです。
結果、皆それぞれ落とす事が出来た中、みやび洗しみ抜研精会恒例、綺麗に仕上がった人からの解説会です。
以上の「波多野クリーニング」 「吉田クリーニング」 「稲村ドライ」より染み抜きの方法を解説して貰いました。
中でも「波多野クリーニング」の結果は驚く事に、皆「染色補正」までの工程を考え作業していたところ、修正なしで染み抜きを完了していたことでした。
これは我々プロからみても素晴らしい結果であり、見習うべき技術でもありました。
本人いわく「面倒な染色補正はしたくなかっただけ、特別な事はしていない」という事です・・・
まさに”達人”のコメントだと思いました。
そんな達人達のお店は・・・・
2011年05月01日 (9年前)
4月のみやび洗講習会報告(コスモ超音波研究所しみ抜き機)
4月のみやび洗しみ抜研精会講習会は
賛助会員である森山機材 専務による「最新資材の紹介」と「ポイント制度の活用術」についての講義をして頂きました。
その後、会員が持参した現物を処理しました。
(保管中に全体にカビが発生した振袖) (しみ抜き途中ですが、ここまで落とす事が出来ました)
午後からは「コスモ超音波研究所」の山口 氏にお越し頂き、超音波洗浄装置(しみ抜き機)の実演説明をして頂きました。
やはり最新のしみ抜き機はいいですね~。
みやび洗会員達も興味深々、実際に使用して試していました。
きっと、この最新しみ抜き機を使用することにより可能となるしみ抜き作業のイメージを思い浮かべていた事でしょう。
しかし・・・いくら最新のしみ抜き機を使用することが出来ても、基本的なしみ抜き技術が無ければそれを生かす事もできませんので、これからも技術UPに研鑽を重ねて行きます。
2011年04月07日 (10年前)
3月のみやび洗講習会報告(小林清吾 先生の講習)
3月のみやび洗しみ抜研精会講習会は、
静岡 日本しみ抜き研究会会長 小林清吾 先生をお招きしての講習会でした。
午前は小林先生より、最近のクリーニング事情とその対策についての話や、
最新衣料品にまつわるトラブル事例や、その処理方法を実際に処理した写真を示しながら解説していただきました。
その後、みやび洗会員が持参した現物(お客様よりお預かりしたしみ抜き依頼品)を一点づつ調べ、その品物に合った処理方法を解説して頂きました。
<画像では分かりづらいですが、所どころ原因不明の色ハゲの起こっている品>
<手軽に出来るからとお客様が「リフォームテープ」を付けた所、表ににじみ出てしまった品>
午後からは、それらシミの付いた品物を実際に処理をして頂きながら、作業を行う上での注意点や適切な処置方法を教えていただきました。
毎年、3月の講習会に 小林先生をお招きして講義して頂く理由として、
我々クリーニング業界これから春に向かい忙しくなってくるこの時期に、
最新の衣料情報の収集とその取扱い方法を学ぶことにより、
お客様が安心してお品物をお出し頂ける準備と考えております。
依頼頂いた品物すべてにおいて「期待を裏切らない!」為に、
これからもみやび洗研精会会員一同は研鑽を重ねてまいります。
春の衣替えは・・・・・みやび洗しみ抜研精会 会員店へ
2011年03月12日 (10年前)