2018.10.7 講習会 現物処理・着物の仕上げ・たたみ
前回の鮎まつりの研修旅行に引き続き、10月の講習会でした。
今回の講習のメインテーマは吉田指導員による着物の仕上げ。
着物のシミ抜きはシミ抜きの集大成。とても難しい技術になります。
その着物の仕上げ~たたみ、またその過程において、それぞれメンバー同士が意見を出し合い、みんなが得るものがあった講習会になったんではないでしょうか。
◆現物処理
まずは、各自もってきた現物の処理をそれぞれ行いました。
・お客様が、「蛍光剤がついた?」と言ってお持ち込み頂いたバーバリーのシャツ。
部分的に脱色があります。
まずは石鹸(アルカリ)で汚れをとります。
酸で平に持っていきます。
乾かし、色修正開始!
これは筆修正か?ピースガンか?などの話し合いもしながら、行っていきました。
ただ、何より色の調合が難しい。
少し違っても、少し鮮やかになってしまったり、少しくすんでしまったりと、色作りはほんと難しいです。
最終的には「まだ脱色は分かるが目立たないレベル」まで修正できました。
・襟が変色したダウンのファー
よくありますね。
整髪料や、皮脂が原因となって色落ち、脱色を引き起こします。
このダウンの場合、まだ脂が残っている状態だったため、ドライクリーニング⇒水洗いの手順でまずはクリーニングすること。とのアドバイス。
しかし、既に変色してしまっているため、脱色を修正するには色修正が必要です。
ただ、ポリエステル素材に色修正する場合、特に今回の場合は、全く同じ色や質感にはならないため、「どこまでお客様が求めているか」を予めヒアリングを行う必要があります。
お客様向けのアドバイスとしては、汚れなどが残った状態での保管や衣替え、いわゆる長期放置はNGです!
着たらクリーニングを徹底しましょう!
特にモンクレールなどのダウンなど。高級品が変色してからでは遅いです!
また①変色しないための裏ワザ②変色したあとにごまかす裏ワザを伝授頂きました。(少しクリーニングジャンルからは離れますが)
◆着物の仕上げ
○お召の仕上げ
縦糸と横糸があり、横糸の方が強くよじれがあるため、詰まりやすいところがポイントでした。
横を伸ばす、それから全体をアイロン掛けしていく、ただ均等に伸ばすようにしていくいところが難しい。
そして、専用の仕上げ台、を使って均等に伸ばす事ができるので、やはり技術、知識もそうですが、設備もしっかりしないといけません!
また着物は水洗い、基本的にはできません。
しかし、着物をきたからといって、汗をかかないわけにはいきません。
汗を吸った着物は放置しておくと、黄変を起します。
そんな汗をすった着物を水洗いする方法(丸洗いせず、汗を取り除く方法)をレクチャーして頂き、非常に今後の参考になりました。
丸洗いをしないのに、汗をとる・・・魔法のようだ・・・
~point~
・アイロンはすべて浮かせてかける
・際は特に!ふっくらするように!
・横糸の縮みに注意!
○練習台として購入した留袖
基本的には上にかいたポイントと一緒ですが、こちらには、スレが発生しておりました。
写真ではわかりにくかったのですが、背中部分にうっすらと白い線が三ヶ所程。
これ、染め直し(部分色修正)しても良くはなるのですが、裏地が白いため、好ましくないとのこと。
じゃあどうするかの議論になった時、貝瀬指導員がまた7つ道具を取り出しました。
取り出したの油の一種。
これをうっすら塗る事であら不思議、ほとんど分からなくなりました。
黒い生地に白い線って目立ちます。これもほぼ数秒の間にも消えました!
果たして何を使ったのか・・みやび会員にお尋ねくださいヽ(´▽`)/
そして最も大事な、価格の話。
あるメンバーは「うちは12,000円だ。」、またあるメンバーは「うちは15,000円だ。」価格はそれぞれ。
またこのメンバーはここまで細かい部分まで仕上げてるのか!などお互い良い気づきがあったようです。
日々、お金と時間をかけて学んでいるこの技術、みやび洗いで学んでいるからこそ、しっかりこの技術をお客様に提供したい。
そんな想いで皆講習会に励んでおります。
今後、「○○さんはこの技術でこの価格は安いから価格あげた方がいいですよ!」など「○○さんはこの分野は不得意だから強化していき、この価格で頑張っていこう!」
など、メンバーが一体いくらの価格でクリーニングしているのか、そんな事を話し合いながら、価格を見直していく中で、技術を向上させていったら面白いんじゃないか!そんな話も出ておりました。
秋の衣替えに向け頑張ってまいりましょう!
2018年10月16日 (5年前)