11月・12月のみやび洗講習会(からむし織見学・地色直し)
サボっていた訳ではありませんが、久しぶりの「みやび洗研精会の活動報告」となってしまいました。
ということで、今回は11月に行われた『からむし織』の見学会報告と、12月の講習会報告です。
奥会津昭和村の「からむし織の里」へみやび洗研精会の講習日に見学へ行きました。
< からむし織 >
「からむし」は苧麻とも呼ばれるイラクサ科の多年草植物で、上布用の原材料として本州では唯一昭和村で栽培が続けられています。
化学繊維では真似できない通気性・吸湿性に富み、織り上げられた布は軽く丈夫で、その涼しい着心地は一度経験すると他の織物を着る事ができないと言われるほど。
こちらは、みやび洗会員店へ依頼された品物。
全体に「カビ」が発生しているため、染み抜きの依頼でお預かりしているもの。
会員皆で相談しながら処理方法を話合いました。
因みに価格を聞いてみたら、詳しくは教えて貰えませんでしたが、『 三桁 』だそうです。
「糸づくり」一つ取っても、作りたい糸の太さに合わせて繊維を裂き、毛羽立ったり、つなぎ目が太くならないよう織り合わせ繋いでいく根気と熟練を要する手法で、手から手へと技が受け継がれてきた日本伝統の文化であり、
「からむし織」は科学でも機械でもつくり出せない『幻の繊維』といわれていることからも頷けます。
12月の講習会は「地色直し」(色かけ)の実習。
テスト布を2か所色を抜き、修正していきます。
しみ抜き作業をしていく上で、「色かけ修正」の技の取得は避けては通れない技術です。
何でもかんでも「地色を抜いて染み抜き」という事は有りえませんが、
しみ抜き工程の中で、どうしても地色が抜けてしまう場合や、
あえて地色まで抜き、修正した方が仕上がり具合が良い場合があるからです。
クリーニング店の中でも「色かけ修正」が出来ない店の場合、
突っ込んだ染み抜きが出来ずに、シミを落とせないという事もあるようです。
その点、みやび洗研精会の会員は繰り返しの練習により、修正技術を習得しているので、安心してご依頼いただけると思います。
<結果事例>
どこを修正したのか分からない仕上がり。
いつものごとく、半分だけ修正。
貴方も「みやび洗研精会」に入会して、一緒に研鑽を重ねませんか?
2014年12月20日 (9年前)