6月のみやび洗講習会(ペーパーテストの検証・仕上げ講習)
6月のみやび洗講習会は、春の繁忙期真っ最中の日曜日に行われました。
後藤 会長の朝の挨拶の後、賛助会員の「森山機材 専務」による新製品の紹介。
そして、前回に行われた「ペーパーテスト」の検証を行いました。
ほぼ問題無く回答されていた様子でしたが、中には後藤会長も写真のような『苦笑い』を浮かべるような回答も見られ、会員全員で正しい答えの検証を図る意見交換を行いました。
その後、佐渡の(株)新洋舎 後藤会員より「酸化漂白のしくみ」についての講義。
そして、櫛谷指導員の店に持ち込まれた「着物」について、特殊な事例として報告がありました。
画像に見られるように、脇の部分に大きなシミが現れている品物です。
これは、持ち込まれた時点でこの様な状態なのですが、お客様から伺った話によると・・・
「最初はここまで酷くなかったが、保管中にこの様な状態になってしまった。 ちゃんとクリーニングに出して仕舞っていたはずなのに」という事らしいです。
( 青マルで囲ってある箇所の生地が脆くなっていて、少しヤブレも見られる )
櫛谷指導員の解説によると、以前にこの着物を処理したクリーニング店(?)の染み抜き処理がまずく、使用した薬品が残留して生地を脆化させた可能性が高いということです。
ちゃんとした技術力のあるクリーニング店に依頼しないと、シミが落ちて来ないばかりか、今回のお着物のように、大切な品物までダメになってしまう恐れがありますので、お店選びに慎重になって頂きたいと思います。
今回は貴重な事例だった為に講習会に持って来て会員に報告をし、情報の共有を図る事を目的にお客様から了解を得て来たそうですが、
会員の意見を参考とした結果、今回は生地の損傷が見られる為に「返品」することとなりました。
午後からは「仕上げ講習」
いつものように吉田指導員の元、着物の修正仕上げの講習と、
後半は「背広の仕上げ」について各会員の“こだわり”を発表して頂きました。
その中の一つ・・・村上の近 会員による「背広襟の仕上げ方」
下の画像(左)のような、衿の裏地が見えていたり、衿が浮いているような状態に仕上がっている背広を稀に見受けます。
この様な状態に仕上がってくるのは比較的料金の安い店の仕上げに見られるようです。
下の画像(右)のように仕上げる為には、ハンドアイロンを使い特殊な技術を駆使した熟練の技が必要なことも知って頂きたいと思います。
貴方も「みやび洗研精会」に入会して、一緒に研鑽を重ねませんか?
2013年06月19日 (10年前)