6月のみやび洗講習会(墨と墨汁のテスト布・その他現物処理)
6月のみやび洗講習会は、初夏の清々しい「しみ抜き日和」の中行われました。
< 綿布に墨と墨汁を付けてあります >
今月のテスト布です、良くあるしみですが完璧に落とすには、ちゃんと手順を踏まないと、汚れが落ちきれないことが多いしみです。
一見、簡単そうですが、確実な技術が必要とされる作業です。
みやび洗しみ抜研精会の基本の、「油」(油性処理) 「水」(水洗い、漂白処理) 「酵素」(還元処理) 「彩」(変色箇所の彩色)に忠実に行いますが、腕の差が出るのがこの時です。
新入会員の一寸危なっかしい手先を、心配そうに見守る 大堀指導員、この道40年の知識を惜しげもなく伝授して下さいます。
油性のしみ抜き溶剤でこつこつとシミを別の布に移していきます。
次は水性処理を行います、この時シルク製品はすれが起こりやすいので、いっそう注意が必要とされます。
今月の現物処理は白地の付下げの黄変のシミの除去です。後藤指導員が手がけます。
白場のシミは比較的容易に除去できますが、柄の中に有るシミの除去は細心の注意が必要です。
当然ですが、この様な染み抜きの前にも油性の処理、水性の処理は不可欠です。
「秘密のみやび洗スペシャル」をシミに付け、先端からしみ抜きに最適な量の蒸気を発生させるスポットマシンで丁寧に作業を行います。
前身頃にあった数カ所のシミも綺麗になりました。
お客様の笑顔が浮かびます。
< 仕上げ >
本当に最後の仕上げで着物の美しさが一ランクアップします。
丁寧な仕上げもみやび洗しみ抜研精会会員の誇りです。
綺麗に仕上がりました!
最後に、今月のみやび洗講習会報告を(有)和田クリーニング店に担当して貰いました。
和田クリーニング店といえば、みやび洗しみ抜研精会発足以来の会員です。
「きもの文化検定」の合格認定書を取得しており、和服のみならず、
衣類全般の知識に精通しており、アドバイザー的存在として会員から認められています。
和田クリーニング店の特色は・・・
お客様の衣類の状況を良く確認し処理を行っており、その衣類本来の持ち味を大切に、
不必要な加工などはせずに真面目にお客様本位に立った仕事と評判です。
そんな評判店ですから、去年創業50年を迎えることが出来ました。
今後も地域のお客様に愛され続ける店でいるでしょう。
2011年06月11日 (12年前)