10月のみやび洗講習会報告(仕上げの講習)
10月のみやび洗講習会は「仕上げ」についての講習でした。
吉田指導員からは「着物と袴の仕上げ」を実技を含めて講義していただきました。
今までも着物の仕上げは幾度かやってきましたが、
修正器具を使用した、完全な「修正仕上げ」の講習でしたが、
今回は「普通仕上げ」の方法(特別な器具を使用しない方法)を
講義してもらいました。
それでも着物というものは、多少なりとも着用による詰まりなどの
寸法のくるいが出来ていますので、仕上げ方法のポイントはしっかりと押さえておく必要があります。
続きまして、会員からの要望が多かった
「テーラー仕上げ」の講義を大堀指導員よりしていただきました。
大堀指導員は WHS整形仕上技能講習会 にて技術を取得し、
日頃の仕上げに生かし、お客様に喜ばれています。
では、なぜ「テーラー仕上げ」なのかと言いますと、
<紳士スーツの縫製技術>
「イセコミ」「オイコミ」「クセ取り」などの技術を、縫製技術やテープ・芯などを駆使して体にフィットさせること。体形に合わせ立体的に作ると、着心地が軽い感じの服になります。
それを「クリーニング」することにより生じる、くるいやズレを仕上げ技術により元に戻す必要があるからです。
仕上げのポイントとして・・・・
①上 衿
②ラペル
③袖(アームホール)
④見返しの下り
⑤地の目通し
などを、実技を含め講義してもらい、会員は熱心に聞いていたので
今後の自店での仕上げに生かしていけると思います。
もう一つ重要なのが使用する「ハンガー」の種類。
せっかく、人体の体形に合わせた仕上げを施しても、適切なハンガーを使用しなければ型が崩れてしまいます。
それには「適度な厚みのあるモノで、肩のラインに沿ったカーブのあるもの」を使用しなければなりません。
みやび洗研精会員店では適切なハンガーを選び、お客様のスーツの最善なメンテナンス方法を心掛けています。
午後からは各自が「現物処理」を行いました。
こちらの画像は実際にお客様からお預かりした品物で、
紬の着物に付いた10年以上前の古いシミの事例です。
前に他店へ依頼した事があったとのことですが、
古いシミということで、完全に落とす事ができずにいたところ、
どうしても諦めきれないということで、「みやび洗会員店」の
滝沢クリーニング店に持ち込まれた品物です。
←結果はコチラ
一部分だけですが、講習時間内で綺麗に取り除かれています。
他の部分も同様の処理を施す事で除去できると思います。
滝沢クリーニングさんと言えば・・・「真面目で温厚」
業界の誰もが認める人柄の良い方として知られていますが、
その人柄が仕事面でも生かされていると評判のお店です。
以前からしみ抜きの勉強はされていたのですが、
みやび洗しみ抜研精会に入会して4年、確実に実力を付けている人です。
自店の強みとして力を入れているのが、衣類の「全体漂白」(復元加工ともいう)
汗などにより黄ばんでしまった衣服を元通りにする技術です。
この技術はどこのクリーニング店でも出来るという技ではなく、
衣服の状態の見極めや薬品を使いこなす知識が無ければできない技なので、
それが出来る数少ない店の一つです。
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2010年10月11日 (13年前)